恋なんてバカげてる

「...ただいま」
ドアを開け、玄関に行くと
「亜里沙ちゃん? おかえり、順位は――...」
「1位」
少しの沈黙の後お母さんが
「そ、そうよね、なんていってもお母さんの娘だもの」
「うん、分かってる」
「でもね、亜里沙ちゃん体には十分に―――」
「―――分かってる。」
そういい捨て私は部屋へ行った。
誰も私の気持ちなんて分からないくせいに...。
私はクッションに顔を沈めた。

「そうだ..っ」
私は何かに取り付かれたように机に向かった
そして...
「スゥーハァー」
深呼吸をし、お気に入りのシャーペンを握りひたすらに勉強をした。


 
「亜里沙ちゃーん? 寝なさいねぇ?」
階段下からはお母さんの声がした。
時計を見ると、夜中の3時だった。
私はどれくらい夢中で勉強をしていたのだろう。
自分で自分が分からなくなってきた。
イライラしたとき、悲しいとき、楽しいとき、寂しいとき、喜怒哀楽の中で
私がもっとも必要としているのは喜怒哀楽のようで喜怒哀楽ではない。
「やっぱり、勉強..好きなのかな..」
お風呂に入ろうと思いクローゼットへ向かった。
「―――?」
テーブルの上には置手紙がおいてあった。
「またか...」
それはお母さんからの手紙だった。
私が夢中で勉強している時お母さんは私の邪魔をしないようこっそりと
テーブルの上に置手紙と夜食をおいていくのが日課だった。
手紙には
『亜里沙ちゃんへ
   あまり無理しない程度に頑張ってください。
   お母さんは亜里沙ちゃんが大好きです。』

「ハァ...」
私は指摘する点がいくつかあるところに目がいってしまった。
こんな私はひねくれているのだろうか。
まず、無理しない程度って母親としてどうなのだろう。
それと、娘のことが好きじゃない母親なんて母親ではないであろう。

私はいつものように食事はすばやく済ませて、手紙をゴミ箱へ捨てた。