「?」 「…ダメっていうか、 んー、柴とはずっと一緒にいるからお互い異性として見てないのよね」 「そういうもの?」 「そういうものよ」 論す様な口ぶりの花緒里の目には窓際の一番前の席で友達と楽しそうに話をしている柴君が映し出されていた。 「…そういうものなのか」 あたしには正直分かり得ないこと。 ポツリと零した言葉は生徒達の話し声や笑い声で掻き消され、 目の前にいる花緒里にさえも届きはしない。