「君たちで最後だよ。さ、そこに座ってね。」
「はい」
「はい」

私たちは藤本先生の指示に従って、椅子に座った。

「ねぇ、その髪型、可愛いね。」
「え?」

突然、隣から可愛らしい声がした。声のした方向を向くと
ふわふわの茶色がかった、短い髪。
くりくりの目。ふっくらした唇。

小学生でもわかる…………

「か、可愛い…!」
「え?」

今度は女の子が声をあげた。
そのこは、にこりと微笑むと、

「ありがとう」

と言った。このときは、まだ気づいてなかった。
この子が……美鈴ちゃんが。私の人生を大きく変えるなんて…。

「それでは行きますよー。はい、チーズ。」

カシャッと言う音とともにカメラのシャッターが押された。