リョウが何故そんな事を言ったのかは分からない。 けれども、私にはタカシがいる。 たとえ嘘だとしても、私がリョウの事を好きだなんて噂がタカシの耳に入ったら、タカシは怒るに決まっている。 タカシはクールだけど、独占力が強いから…。 「ユウリ。……ユウリ?」 「……あ!ごめん。何?」 考え事をしていたせいで、タカシの声に気付かなかった。 タカシは耳を掻きながら歩き出した。 私も隣にくっついて歩き出す。