「つぐみぃー★」

朝っぱらからうるせぇー。

いまでかい声だしてあたしをよんだのは親友のかや乃。

馬鹿でお調子者だけど、あたしの一番の理解者なんだ。

かや乃の彼氏はいまいない。

なんか小6のときはいたらしい。

「つぐみぃー?どったの?」

「いや、なんでもないよ~」

「ね。つぐみ、今日、合コン行かない?」

は?なにいってんの……。

まだ15歳の中3がいっちょまえに合コンだぁー?

「かやの、なんのジョウダンですか?」

「えーつぐみ、行かないのぉ?」

「行かないよ。彼氏トカいらねぇもん。」

「ってかさ、つぐみ、その男言葉やめたら?」

「うるさい!ほっとけ。」

確かにあたしは男言葉なんだよね。

なんかわか んないけど、話してたら男言葉になっちゃう。

「男言葉を直したらもっと可愛いくなってモテるのにぃー。」

「別にモテなくていいし。」

「可愛い顔なのにもったいねー。」

「もぅほっとけ。」

「まぁそれはどっちでもよくてよ。」

なら始めっから言うな。

「まぢで行かないのぉ?合コンっ!!」

「いくらかや乃が言っても行かない。」

「ぢゃぁこれ言ったら行ってくれる?」

「なに?」

「ゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョ」

かや乃が耳に小さな声でコソコソ言ってきた。

「行くっ!!」

あたしのプライドはどこかへ飛んでいった……。

「ねっ?これ聞いたら行くでしょ~?」

うん……。
、、
だって……だって相手はあの超有名男子校、敬愛中学校だよっ!!

これ聞いて断る人、いるっ!?

敬愛中学校はお金持ちでみんな超かっこよくて……。

女子なら誰でも憧れるでしょ。

そんな敬愛中学校の男子様と会えるなんて……。

夢の中の話でしょうよ。

よぉし!!

メイクバリバリで行ってやろ~っと。

「かや乃っ!!でかした!! で、それいつ?」

「え、今日。」

「……え……今日ぉ~!?」

ずいぶん急な話でないかぁ!!

急いで準備しなきゃっ!!

「あんね、今日の5時からだからね~。」

「どこにいけばいい? かや乃、一緒に行こうねっっっ!!」

だって……だってあたし、合コンなんか初めてだもんっ!!

でも逆に中3で合コン慣れしてる人もいないと思うけど……。