月光の彼方

「タワーの中が明るくて良かったですね。」

私は小さな声で先輩に話かけた。

「そうね。せっかくライト持って来たのにね。」

先輩は持っていたライトと鍵をウエストポーチにしまいこんだ。

「でも、タワーの中って、こんなだったんだ・・・」

先輩がそう言うのに私もうなづいた。

〈タワー〉の中は、螺旋階段になっていた。