月光の彼方

私達はしばらく馬で走り、ようやく村らしい場所に着いた。

村は、周りを策のようなものでぐるりと囲まれていた。

櫓が組まれた人を通ると、左右には畑が広がっている。

そこを抜けると、家が建ち並んでいた。

通りには多くの人がいた。

私達を乗せた馬は、その中をゆっくり進んだ。

「ホムラノミコ、とうとう響子様が来られたのですね。」

「イヅミノミコ、今度は何を捕まえて来たんだい?」

村人が次々に声を掛けてくる。

イヅミさんの方は、圧倒的に子供が多い。

そのせいか、私はやたらとバカなガキ共につつかれたりした。

「痛っ!あんた、人を棒で刺したでしょ!」

なんだ、ここのガキ共は!

「おい、おい、誰がそんなことしてんだ?」

イヅミさんが楽しそうに笑う。

「な〜、な〜、誰なんだ、こいつ?」

「誰だろうねえ?

おっと、お前達、また後でな。」

村の中には、もう一箇所櫓があり、その中へは私達以外は入れないようだった。