月光の彼方

「何?走りたい?」

「いえ、ここで大丈夫です。」

私は仕方なく、イヅミさんにしがみついた。

「んっ?

ちょっと待て!」

イヅミさんが急にこっちを振り向いた。

「お前、女なのか?」

ガーン!!

「そ、そうだけど・・・。」

ま、また間違われた。

「ホムラ、こいつ、女だ。」

イヅミさんは、響子先輩を乗せた方の人に声をかけた。

「まあ良いではないか。どうせ子供だ。」

・・・頭にきすぎて言葉も無かった。