月光の彼方

洞窟の前にいる人達は、私達の知らない格好をした人達ばかりだった。

まるで、古代日本神話から抜け出してきたみたい。

私達が着ているのも、どうやら同じらしい。

で、でも、先輩と私のこの違いはなんなんだ!

先輩の服はワンピースみたいになっていて、どう見てもお姫様系だ。

なのに私の着ているのは、パンツタイプで、どう見ても作務衣みたいだ。

やがて、たくさんの人の中から一人がこちらに進み出て、私達の前にひざまずいた。

「あなたが響子様ですね?」

そう言ってこちらを見上げた顔を見て、私は思わず息をのんだ。

信じられない位格好良い。

「王がお待ちです。」

そう言って、その人は立ち上がって先輩の手を取った。

「はい。」

先輩はちょっとはにかみながら、その人について歩きだした。