月光の彼方

男の人は、空いている方の右手を腰にやった。

その手の先、男の人の腰には、大きな剣が吊るしてあった。

男の人は、剣を掴むと、鞘からそれを引き抜いた。

その刀身が、月の光を撥ね返す。

ーヤバイ!先輩、殺される!

男の人は、月に向かって剣を掲げた。

「先輩!」