月光の彼方

一番上の踊り場は、人一人が立つ位の大きさだった。

響子先輩はそこに立つと、ぐるりと辺りを見回した。

私も、先輩の側に立ってあちこちに目をやった。

「今、ここに人影が見えたよね?」

先輩は、自分に言い聞かせるようにつぶやいた。

「はい。私も見ました。」