月光の彼方



「朱音!」

「先輩!」

二人で同時に声をあげた。

私達は、手摺にしがみつくと上を見上げる。

すると、丸い天窓に半分程満月が見える。

「行くよ!」

「はいっ!」

私達は急いで、でも、なるべく音をたてない様にしながら、残りの階段を駆け上がった。