「でも、俺に庶民になれって言っても無理な話でしょ? 庶民のことを全て理解するなんてことは不可能なんだよ」 「『全て』は無理でございます。しかし、理解しようとする気持ちが大切なのでございます」 「気持ちねぇ。そんなもん社会じゃ必要ないんだよ」 急に冷めた口調になった由季様に、これ以上話しても意味がないと思った私は、早々に諦めた 「そうでございますか…。では、この話はこれで終わりということで、私は失礼させていただきます」 .