「では次に、友達と食事に行ったとします。お会計はどうなさいますか?」 「俺が払うね」 また即答… 「残念。庶民の場合、割り勘するパターンが多いでしょう。仮に奢ったとしても、奢ってもらった相手は次の食事では払う、などプラスマイナスゼロの関係に持っていきます」 「ほぉ~。庶民は意外と苦労してんのね」 こいつちゃんと聞いてんのか? 「由季様の会社にもたくさんの庶民が働いています。 上に立つ者として、そのような方々のことも考えられるようでなくては、将来桐生家を受け継ぐことは難しいかと…」 .