「おい…そこの女…そのナイフでケーキを切り分けろ」



「あ、はい」



私は紫岐に命令されるままに栗原さんの用意したケーキナイフを手にする。




「でも、タダでは差し上げませんよ。紫岐」



「殺して欲しいヤツでもいるのか?」


「…20年前…ある事件の犯人を追っています…」



「20年前の事件?ウチと関係あるのか??」



「…ある元・SPの有能な刑事が何者かに殺されて…」



「・・・」



紫岐は真剣な顔で栗原さんの話を訊いた。



私の心臓は騒がしく高鳴っていく。