* * *


「…俺に話って何だ?」



「・・・」


下着姿だから、警察手帳も拳銃もスマホだって持てない。


栗原さんがいなきゃ、私は唯の無防備な女…



私の目の前に座るのが中国マフィア『黒龍』殺し屋…紫岐。


サラサラの黒髪…長めの前髪から覗く紫紺の二つの瞳。


一見穏やか感じに見えるけど…常に瞳は鋭い光を宿してる。



あの時…部屋で見た男とは多分、別人…



「…栗原…さっさと言え…俺も忙しい」


紫岐は口篭る栗原さんを苛立った口調で詰った。



「まずは…これを食べて落ち着いてください」



栗原さんはテーブルにケーキの箱を置いた。


「!?」