「二人して言いたい放題ですね」


「千早…奈美さんをお願い…」


「心愛さんはどこに?」


「どこにって…私は…紫苑と一旦…警視庁に戻る…」


「そうですか・・・わかりました」


「また、来てね…オーナー」

奈美さんは紫苑に甘えた声で念を押した。


「わかった。また、来るよ…奈美ちゃん」
紫苑は奈美さんを真っ直ぐに見つめて、甘い声で返す。



その態度に私の胸の中には噴煙のように嫌な感情は吹き出していた。


私は奈美さんに優しくする紫苑を腹立たしく思ってる…



それが嫉妬心だって自分でも自覚していた。