席に着くと前の席の子がクルッと後ろを向いた。


えっと…




「宮井、さん?」




あたしと目が合うと、その子は言った。



「はぁ、まぁ…宮井です」


ボブヘアの目がパッチリしてて、

いかにも、『女の子ォ!』って感じだった。




「私、篠田さくら。

せっかく席が前後になったからよろしくね」




「う、うん。あたしは宮井怜伊」


「可愛い名前。何か話そうよ、怜伊」



いきなり呼び捨てにされて吃驚した。


だけど、これが普通なのか。

と、思い…




「よろしく、さくら」



あたしも呼び捨てで返した。