私は、雑に動かされ人々に当たる。
そのたびに、彼女には分からないように
謝らなくてはならない。
はっきりいって面倒くさい。
だって、知らない人に当たって
謝ってばかりしてたら、わざと当たってると
思われるからだ。そういう誤解だけは
されたくないから、彼女には、
動かすときにちゃんと考えてほしいものだ。
と思ってたら、
「やぁ、ライ」
と声をかけられた。
いや、かけられたと言うより、
動かされて声をかけたのであろうと
思って、何かと振り返ってみると、
私は、ビックリした。
なぜなら、私と同じ髪型だけど
赤のメッシュじゃなく、青のメッシュで
赤の目じゃなく、青の目で
ジャージのラインも赤でなく、青の
私そっくりな奴がいた。
ふと、もしかして…
と思ってたら、
彼女が私を動かして、
「あなたが、レイちゃん??」
と言わせた。
レイは、
「そうだよ」
と笑うモーションをとった。