少し離れた所から

「あらやだわ、また男とっかえ
ひっかえ!?」
「あっちに尻尾フリフリ、こっちに尻尾フリフリ~」
「違うわよ、キモい黒い羽広げてあっちにヒラヒラ、こっちにヒラヒラ
でしょ♪」
「ああ~、そうだったわね」

こっちに…、と言うより私に聞こえるように話しているのは、
三十路一歩手前コンビ
川島先輩、渡辺先輩
会社の情報局とでもいいましょうか…

要は人の悪口、陰口大好きというか、
もう生き甲斐?になってるみたい


「なんか私の耳、低レベルの話は聞こえないんだよね~」

首をかしげながら耳をいじってみせる
こういう態度とか、こうやって思ったこと我慢出来ずに直ぐ口にしちゃうから目の敵にされているんだよね…

キー!って金切り声が聞こえてきそうな顔をしている二人をよそに

「あっ、おはようございます!」

先輩方に背を向け、入り口からゾロゾロと入ってくる男性陣にわざと大きな声で挨拶すると、
私を睨んでいたであろう彼女達が慌てて笑顔になって『おはようございま~す』と、猫なで声を出し始める


チラリと彼女達を見ながら思う

どこから声出してんだろ…
私には、あなた達のお尻にブンブン振っている尻尾が見えるよ