「リカ、遅くなってゴメンな」

リカってなんだよ、自分で
呼んだくせにそう思ってる俺

「なんだてめぇ~」

「俺のだから、その手離して帰れ」

何言っちゃってんの俺

「嘘つくなよ」

はい嘘ですけど

「嘘じゃない」

「嘘じゃないよ、洋ちゃんと
待ち合わせしてたんだもん」


もしかして洋ちゃんって俺の事か
「…そうなんだよリカゴメンな
メールしたんだけど見てない」

「連絡しようと思ってたとこだった」

「なるほど…アンタ
何いつまでもいんだよ、早く帰れ」


ナンパ男は彼女の手を放して
何処かに走って行った