プロローグ


「キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン……」
「(一同)お願いします!!」

そう言って、僕達新1年生は席に着いた。
(まじか〜担任男だよ…。無いわ…若い人妻担任期待してたのにな。)なんてことを考えながら、空をぼんやり眺めて…………



無かったんだ。


いや。だって眺められないよ?自分の席廊下側から2番目だし。

おいおい。これじゃあ、校庭に咲く桜が満足にみれないじゃんか…。

しまいには、桜とは相反して量の少ない頭をした奴が副担という。聞いてみるところ、副担なのに学年主任とか言ってらっしゃいますよ。この方…。

(なんか、早速ですがヤル気失せてきた気がする。そんな初日でいいのでしょうか。)
と、まぁいきなりの戦意喪失で高校生活が始まりを告げてしまったのです。


担任「それでは、2列づつに並んで体育館まで行って貰います。」
ああ。もう移動ですか。

適当にぼんやり考え事してると、時が経つのは早いですねー。

それより、さっきから担任がやけに丁寧過ぎる丁寧語(というか尊敬語?)で気持ち悪いんですけど。
まぁ、適当に流しておけば、この人(担任)は勝手に進行してくれるだろ。


ところでなんですが、皆さん。異様に静かですね。ここは北極かなにかですか?
やっぱり最初は話とかちゃんと聞くものなんですね。

なんか、こんなこと考えてる僕が馬鹿みたいじゃないですか。


担任「それでは、番号順2列で廊下に並んで下さい。」
未だに丁寧語ですね。


(仕方ない。行くか。)
そうしてようやく僕は重たい腰を上げて、廊下へと向かった。