そこへ、淳也が帰って来た。そして、淳也が澄ました顔をして、たえの部屋に入って来た。
たえとかんなは顔を見合わせると、また笑い転げた。
「何や、人の顔を見てそんなに笑うなんて、失礼じゃないか」
「あっ、寝小便のおっちゃんや」
話を聞いていたのか、勇太までそう言うと、たえとかんなはまた笑い出した。
「寝小便のおっちゃんって、おじさんの事か」
「そうや。おっちゃん、ちんちん汗かいたんか」
「これ、勇太。駄目よ。ご免なさい、淳也さん。いま、吉見さんに淳也さんの子供の頃の話を聞いていたの」
「寝小便の話だろ。お袋、頼むよ。変な事は言わないでくれよ」
「ええ や な い か。今 の 話 や な いん や か ら」
「今する訳無いだろう。まいったな。もう帰ってやらないぞ」
4人は寝たきりの病人がいる事も忘れ、笑いながら楽しく語り合った。
「よう わろ た わ。今日 は 楽 し かっ た わ」
「こんなに楽しそうなお袋の顔を見るのは何年ぶりだろう。みんな、かんなさんのお陰です」
「私は何も。吉見さんって、すごく面白いの。私可笑しくって、涙が出たほどです」
「良かったな。お袋。ありがとう、かんなさん」
「いいえ~。あっ、いけない。もう、こんな時間だわ。帰らなくちゃ」
時計は9時を過ぎていた。
「かんなさん、遅いから、僕が送って行きます」
「送ってもらわなくても、結構ですよ」
「いえ、送らせて下さい」
「送っ て も ら い」
「じゃ、そうしょうかな」
「そうして下さい」
大枝南福西町のたえの家から、大枝西新林町のかんなの住む市営住宅まで、自転車で約10分ほどの距離だった。
たえとかんなは顔を見合わせると、また笑い転げた。
「何や、人の顔を見てそんなに笑うなんて、失礼じゃないか」
「あっ、寝小便のおっちゃんや」
話を聞いていたのか、勇太までそう言うと、たえとかんなはまた笑い出した。
「寝小便のおっちゃんって、おじさんの事か」
「そうや。おっちゃん、ちんちん汗かいたんか」
「これ、勇太。駄目よ。ご免なさい、淳也さん。いま、吉見さんに淳也さんの子供の頃の話を聞いていたの」
「寝小便の話だろ。お袋、頼むよ。変な事は言わないでくれよ」
「ええ や な い か。今 の 話 や な いん や か ら」
「今する訳無いだろう。まいったな。もう帰ってやらないぞ」
4人は寝たきりの病人がいる事も忘れ、笑いながら楽しく語り合った。
「よう わろ た わ。今日 は 楽 し かっ た わ」
「こんなに楽しそうなお袋の顔を見るのは何年ぶりだろう。みんな、かんなさんのお陰です」
「私は何も。吉見さんって、すごく面白いの。私可笑しくって、涙が出たほどです」
「良かったな。お袋。ありがとう、かんなさん」
「いいえ~。あっ、いけない。もう、こんな時間だわ。帰らなくちゃ」
時計は9時を過ぎていた。
「かんなさん、遅いから、僕が送って行きます」
「送ってもらわなくても、結構ですよ」
「いえ、送らせて下さい」
「送っ て も ら い」
「じゃ、そうしょうかな」
「そうして下さい」
大枝南福西町のたえの家から、大枝西新林町のかんなの住む市営住宅まで、自転車で約10分ほどの距離だった。

