コイン★悪い男の純情

 あくる日、淳也は休みを取って、京都へ向かった。


 京都駅からかんなの家の前まで、タクシーを走らせた。

 
 淳也は、道路から301号室のかんなの家を見上げた。



 「かんなさん、ご無沙汰しています。大分、落ち着かれましたか」



 「今日は勇太君の命日です。手を合わせにきました」





 逢わずに帰るつもりです。どうか、お元気で」





 そう言うと、淳也は勇太がひき殺された場所へ向かった。