コイン★悪い男の純情

 「何をするんですか」
 「ねえ、いいでしょう」

 「腕を離してください」



 
 「私、前から吉見さんとこうなると思っていたの」




 「やめないか」


 小枝はその言葉を無視して、淳也の手を両手で引っ張った。


 奥の部屋のベッドに、淳也を連れ込もうとしているようだ。



 淳也はその手を振りほどくと、小枝をベッドに力任せに押し倒した。





 「俺を甘くみるな」





 そう言うと、淳也は部屋から立ち去った。