コイン★悪い男の純情

 「ありがとうございます。座らせてもらいます」

 母親が礼を言った。

 「どうぞ」

 「どうしてかんなは、睡眠薬なんか飲んで自殺しようと思ったのですか」

 「勇太君が死んでから、ずっと泣き続けていました。勇太君無しでは生きていけなかったのでしょう」

 「かんなの気持ちもわかるけど、何も自殺までしなくても」



 「ううう・・」



 その時、かんなが呻き声を上げた。そして、かんなは目を開けた。


 「ううん、死なれ・・・」

 「死なれへん かった・・・」


 かんなはうつろな目でか小さく呟いた。