「かんなさん・・・」
淳也は悔し涙を流した。
(勇太君を殺したのはあの男だ)
かんなの遺書を読んで、淳也はかんなと、いま同じ考えになった。
淳也は何度も何度も勇太が死んだ原因を、かんなから聞かされていた。
「真の犯人は前崎なのに、警察は何も出来ない。こんな事が許されているなんて、私気が狂いそうよ」
淳也はかんなの言葉を思い出すたびに、それを確信した。
「警察があの男を罪にできないなら、俺があの男を罪にしてやる」
淳也が固く決意した。
ピイ~ポ、ピイ~ポ、ピイ~ポ・・・。
その時、救急車が来た。
かんなは洛西医大付属病院に運ばれ、そして、緊急治療室へ。

