空っぽの家

ついでにいうと、せっかくの休みだったのに、また、勝手につぶされてしまった。

こんなことなら、旦那や子供と一緒に、朝、あてはなくても家を出るんだった。

一人で延々しゃべった敵は、やっと重い腰を上げて、お帰りになる。

「はやく、必要なものを揃えなきゃね」

ぞっとする言葉を吐いて、帰っていく。

「お願いだから、これ以上、ゴミ、持ってこないで」

小さくなる、背中に向かってつぶやいた。

必要最小限のものはすでにある。

あんたのゴミを溜め込むために、自分の、ちょっと増えすぎたモノを、思い切って処分してるんじゃない。

部屋に戻って、大きなゴミ袋を出す。

ここは、スーパーの買い物袋でも、ゴミ出しOKなのだ。

無駄なカイモノはしないので、いつもは、大き目の買い物袋一枚でゴミが収まる。

でも、義姉がやってきたときだけは、わざわざ買ってきたゴミ袋がいる。

つまり、義姉のせいで、余計なゴミ袋を買わねばならない。

「どうにか、ならないかな、あの人。今度来たら、あいつを、ゴミに出せばいいんだな。・・・入らないか」




         ~おわり~