空っぽの家

「いつ来ても、殺風景な家ねえ。お金ないの?」

確かにお金はない。

けど、殺風景なんじゃなくて、必死で、モノを置かない、増やさない。

を信条にモデルルームのような家を目指してるのだ。

モノは、いずれ邪魔になる。

なるべく買わない。

服だって、靴だって、増やさないように、厳選して持っているのだ。

それを、

こいつは、いつもいつも自分の着古した服やら、ガラクタやらを、山のように抱えてやってくる。

ごみはゴミ箱へ捨てればいいのに。