空っぽの家

「少しくらい、履くものにも気をつけたほうがいいわよ」

と、あたしの普段履きを引っ張り出して、あたしに見せる。

馬鹿ヤロウ。

それは、あたしの友人が作った靴だ。

シロウトにゃわからないが、ものすごい手間と暇と職人魂が篭ってて、普通に買うと、数万円はする。

それを、あたしは、大事に手入れしてはいてきたのだ。

ちっ。

触りやがって。

後でふいておこう。

こいつが触った後には、カビでも生えかねない。

趣味の悪い、原色のカビが生えてそうだ。