甘恋集め

「あー、そこ、やっぱり気になる?」

「……なります。だって……慣れてたし」

次第に声が小さくなりながら、そう言った。視線は俯いて足元しか見えない。

キスが上手だったなんて、あからさまには言えなくて困る。

「慣れてるって言われても基準がわからないけど。まあ、俺もそれなりに女と付き合ってきたから。もしそれが嫌でも、どうしようもないんだけど」

「……わかってます。この話題はもういいです。おしまいです」

あっさりと、なんでもない事のような言葉に、後悔も罪悪感も感じられないし私の気持ちをくみ取るつもりもなさそうで、ちょっと悔しい。

唇をかみしめて、俯いたままでいると、

「今までの事は、どうする事もできないけど、俺が大切にしたい女は結花を最後にするから。それで満足してよ」

ゆっくりと呟いた。