甘恋集め

利也さんの宣言通り、そのあとすぐに私はコンパから連れ出された。

その場を離れる時、先輩たちは苦笑しながらも気持ちよく送ってくれた。

ただ、向かいの席に座っていた男性が、

『なんなんだよ、突然来てさらっていくなよ』

と機嫌を損ねてしまった事が申し訳なくて。

ごめんなさいと口にしながら頭を下げて、コンパではあり得ない展開の原因が私だと実感した。

残った先輩達にもお詫びしなきゃ、とか色々と考えるけど。

でも、私の肩を抱き寄せてくれる利也さんについて行くしかできない。

ううん、ついて行きたくて仕方がない。

利也さんの突然の登場が、私には夢のようで、でも夢じゃないと利也さんは言ってくれて。

信じられないと思えば信じろと言ってくれて。

足元もおぼつかないし、この先どうなっていくのかわからないけれど、今、私は本当に嬉しい。

私のものになってくれると言ってくれた利也さんが、息を切らして私を連れ出してくれた事が、本当に嬉しい。

「これからは、コンパ参加禁止」

お店から出てすぐに、でこぴんされた。

その瞬間に、ぶわっと涙が溢れて止まらなくなった。

そして、利也さんは、やたら甘い視線と声で私を囚えながら。

「一番欲しい誕生日プレゼント、確保した」

触れるだけのキスを、何度もくれた。