甘恋集め

みんなに注目されてることに気付いたけれど、それよりも、利也さんが目の前にいる事が理解できなくて、混乱していた。

私は、夢をみているのかな。

一番欲しいのは私だって、そう言った利也さんの気持ちがわからない。

私の事が好きだってことなのかな。

でも美乃ちゃん、婚約者の美乃ちゃんがいるのに、利也さんが私に気持ちを揺らすなんて信じられない。

「夢じゃない。信じて」

私の気持ちを見透かしたように、ゆっくりと言い聞かせると、利也さんは私から少し離れて立った。

その瞬間、私の体は彼の体温を求めるように寂しさを覚えて震えた。

利也さんは、しばらく私を見つめた後、私に向かって右手を差し出して。


「俺を信じてこの手を取れば、その瞬間から俺は結花ちゃんのものだよ」


甘く囁いた。