どうにもならない気持ちに縛られて、どんな言葉にも、どんな誘いにも頷く事が出来ない。
「ごめんなさい」
そう言って、俯くしかできない。
せっかく誘ってくれたのに、ごめんなさい。
ここに来るまでは、新しい出会いを求めて、素敵な男性を見つけようと思ってたのに。
どうしても無理だ。他の男の人は、無理なんだ。
「彼氏いないんでしょ?明日も会社休みなんだし、もう一軒行こうよ」
更に誘ってくる言葉に、どんどん気持ちが落ち込んで、俯いた顔を上げられずにいた。すると、突然腕をぐいっと掴まれて引っ張られた。
そのまま立ち上がって、気付けば私は暖かい何かに包まれていた。
「悪い、連れて帰るから」
久しぶりに聞く声にはっとして見上げると、息を切らした利也さんの顔がそこにあった。
睨むように私をじっと見つめる瞳は、どこか不安げに揺れている。
利也さんのそんな顔、初めて見た。
「え……どうして?」
訳が分からずにいる私の体をそっと離すと、目線を私に合わせてくれた。
利也さんは、両手で私の頬を優しくはさむと、大きく息を吐いた。
「美乃が、くれたんだ。俺が一番欲しいもの」
「……うん。この前、そう言ってたね」
どうして、この場でそんな事を私に言うんだろう。
美乃ちゃんと二人で誕生日のお祝いをしていたんじゃないの?
どうして、私のところに来たの?
こんなに慌てて、息を切らして。
「わけがわかんない」
苦しくて、掠れるような声で呟いた私に、利也さんもつらそうな表情で
「俺が一番欲しいものは、結花ちゃんなんだよ」
絞り出すようにそう告げた。
その時、先輩たちをはじめ、その場にいるみんなが呆然と私達を見ていた。
「ごめんなさい」
そう言って、俯くしかできない。
せっかく誘ってくれたのに、ごめんなさい。
ここに来るまでは、新しい出会いを求めて、素敵な男性を見つけようと思ってたのに。
どうしても無理だ。他の男の人は、無理なんだ。
「彼氏いないんでしょ?明日も会社休みなんだし、もう一軒行こうよ」
更に誘ってくる言葉に、どんどん気持ちが落ち込んで、俯いた顔を上げられずにいた。すると、突然腕をぐいっと掴まれて引っ張られた。
そのまま立ち上がって、気付けば私は暖かい何かに包まれていた。
「悪い、連れて帰るから」
久しぶりに聞く声にはっとして見上げると、息を切らした利也さんの顔がそこにあった。
睨むように私をじっと見つめる瞳は、どこか不安げに揺れている。
利也さんのそんな顔、初めて見た。
「え……どうして?」
訳が分からずにいる私の体をそっと離すと、目線を私に合わせてくれた。
利也さんは、両手で私の頬を優しくはさむと、大きく息を吐いた。
「美乃が、くれたんだ。俺が一番欲しいもの」
「……うん。この前、そう言ってたね」
どうして、この場でそんな事を私に言うんだろう。
美乃ちゃんと二人で誕生日のお祝いをしていたんじゃないの?
どうして、私のところに来たの?
こんなに慌てて、息を切らして。
「わけがわかんない」
苦しくて、掠れるような声で呟いた私に、利也さんもつらそうな表情で
「俺が一番欲しいものは、結花ちゃんなんだよ」
絞り出すようにそう告げた。
その時、先輩たちをはじめ、その場にいるみんなが呆然と私達を見ていた。

