甘恋集め

それから、何度か美乃ちゃんに『本当に、コンパに行くの?』

と心配されたけれど、当日になって『やっぱり行きません』

なんて言えるわけもなくて。




「かんぱーい」

時間通りに会は始まった。

秘書課の先輩、紫月さんの義理のお兄さんが弁護士さんらしく、そのお兄さんの後輩達とのコンパ。

この場に来てそのことを初めて知ったし、男8人女8人という大勢の飲み会だと言う事も同じく今日知った。

大して興味がなかった自分に改めて気づいて、少し気が重くなった。

男性陣たちが普段使っているイタリア料理のお店は、明るい色で統一され、吹き抜けの天井が印象的。

次々運ばれてくる料理とアルコールは、雰囲気を盛り上げて楽しい気持ちにしてくれる。

お店の奥にある、ちょっとした個室に通された私達。

今日参加している女性の中で一番年下の私は、必然的に一番端の席に座った。

隣三人は秘書課の先輩たちで、その他の四人は初めて会う人達だった。

先輩の大学時代のお友達だというその人たちは、化粧も上手で髪の毛一本にも気を遣っていて、今日のコンパへの意気込みが感じられた。

やっぱり、相手はエリートだもん、私も頑張ろう。