慌ててごまかした。
本当は、美乃ちゃんと利也さんの誕生日の事を、話した事なんてない。
美乃ちゃんが利也さんの話題を出せば、相槌をうつくらいはするけれど、私から利也さんの話題を出すなんてない。
隠している気持ちが美乃ちゃんに知られないように、ひたすら我慢している。
利也さんの誕生日や年齢なんて、知っていて当たり前だから、つい口が滑ってしまった。
そんな私の気持ちを気付かれないように、利也さんと会う時には気を付けていたのに、二人きりという慣れない時間が、私の気持ちを解放してしまったのかもしれない。
気をつけなきゃ、みんなを傷つけてしまう。
美乃ちゃんの事を大切にしている利也さんを困らせてしまう。
とんでもない事を言ってしまった気がして、俯いて何も言えなくなった。
でも、好きな人の誕生日は、私にとっても特別な日だから。
利也さんの誕生日には、できれば私からもお祝いしたい。
私の耳元に咲いている真紅のバラのお返しを、させて欲しい。
私のすぐ側にいる利也さんの吐息さえも感じられそうな今、そんな夢をみてしまう。
けれど、夢は夢なんだと気づかされた。
「俺の誕生日には、美乃が、俺の一番欲しいものをプレゼントしてくれるらしい」
私に言い聞かせるように、はっきりとした言葉で告げられて。
利也さんから、私の気持ちを牽制されたような気がした。
本当は、美乃ちゃんと利也さんの誕生日の事を、話した事なんてない。
美乃ちゃんが利也さんの話題を出せば、相槌をうつくらいはするけれど、私から利也さんの話題を出すなんてない。
隠している気持ちが美乃ちゃんに知られないように、ひたすら我慢している。
利也さんの誕生日や年齢なんて、知っていて当たり前だから、つい口が滑ってしまった。
そんな私の気持ちを気付かれないように、利也さんと会う時には気を付けていたのに、二人きりという慣れない時間が、私の気持ちを解放してしまったのかもしれない。
気をつけなきゃ、みんなを傷つけてしまう。
美乃ちゃんの事を大切にしている利也さんを困らせてしまう。
とんでもない事を言ってしまった気がして、俯いて何も言えなくなった。
でも、好きな人の誕生日は、私にとっても特別な日だから。
利也さんの誕生日には、できれば私からもお祝いしたい。
私の耳元に咲いている真紅のバラのお返しを、させて欲しい。
私のすぐ側にいる利也さんの吐息さえも感じられそうな今、そんな夢をみてしまう。
けれど、夢は夢なんだと気づかされた。
「俺の誕生日には、美乃が、俺の一番欲しいものをプレゼントしてくれるらしい」
私に言い聞かせるように、はっきりとした言葉で告げられて。
利也さんから、私の気持ちを牽制されたような気がした。

