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「そろそろ限界で、あのベンチにいる梅を見た時声をかけずにはいられなかったんだ」
「ふーん。私の事、だましてたくせに」
「まだそれを言うか?お前の事、ずっと見てきてもう限界だったって何度も言っただろ」
「もっと言って。私の事、大好きってもっと言って」
「梅……」
「それに、もっときれいだって言ってよ。ぼんやり私を見つめるばかりで言葉が少なすぎる」
「いや、それはあまりにもドレスが似合ってて……言葉にもならないっていうか」
「でしょ?桜さんもこのドレス見て『もう一回結婚式したい』って見とれてたもん。ほんと、きれいだよね」
「きれいなのは梅だよ」
小さくつぶやいて、竜の顔が近づいてくるのがわかる。
応えるようにそっと目を閉じて……。
唇に届くはずの温かさを待っていると。
「キスならあとでゆっくりしろよ。みんな待ってるぞ」
冷やかすような声にはっと振り向くと。
「ちっ。有星のやつ……」
桜さんの肩を抱いた有星くんがドアのところに立っていた。

