甘恋集め



   *   *    *


「そろそろ限界で、あのベンチにいる梅を見た時声をかけずにはいられなかったんだ」

「ふーん。私の事、だましてたくせに」

「まだそれを言うか?お前の事、ずっと見てきてもう限界だったって何度も言っただろ」

「もっと言って。私の事、大好きってもっと言って」

「梅……」

「それに、もっときれいだって言ってよ。ぼんやり私を見つめるばかりで言葉が少なすぎる」

「いや、それはあまりにもドレスが似合ってて……言葉にもならないっていうか」

「でしょ?桜さんもこのドレス見て『もう一回結婚式したい』って見とれてたもん。ほんと、きれいだよね」

「きれいなのは梅だよ」

小さくつぶやいて、竜の顔が近づいてくるのがわかる。

応えるようにそっと目を閉じて……。

唇に届くはずの温かさを待っていると。

「キスならあとでゆっくりしろよ。みんな待ってるぞ」

冷やかすような声にはっと振り向くと。

「ちっ。有星のやつ……」

桜さんの肩を抱いた有星くんがドアのところに立っていた。