甘恋集め



お店の前で私達を待ってくれていた三人。

どう見ても泣いた後に違いない私の泣き顔を見た途端。

「とうとう、振られたか?」

「そうか、玉砕したかー」

「ま、その勇気は讃えてあげるわよ」

山崎くんに向かってくちぐちにそう叫んだ。

は?一体、この三人は何を。

三人からばんばんと腕をたたかれながら、それでも笑ってる山崎くんは

「そういうこと」

と言って、それ以上何も言わなかった。

そして、三人もそれ以上聞かなかった。

私の泣き顔を見て、ぷっと笑うというおまけもつけて。

「ちゃんと、断ったのよね?透子、よくやった」

何故か、山崎くんの思いを拒んだ事すら誉められてしまった。

「受け入れられない思いは、ちゃんとそう伝えなきゃ。それが、誠意だよ」

その言葉が、すごく重い。そして、嬉しい。

「席空いてるみたいだし、入ろう。今日は相模さんの事について熱く語ろう。

何と言っても、神様のような人の話を聞く事ができた日だからなー」

私と山崎くんの事はもう何も聞かない、それがわかる口ぶりのみんなに甘えて、私もお店に足を踏み入れた。

そして、そして。