甘恋集め

今日は、このまま帰ろうかな。

みんなとご飯を食べにいくなんて、いつでも大丈夫だし、帰ろうかな。

そう思って、ふと山崎くんを見ると。

「だめだよ。ちゃんとご飯をみんなで食べて、強い気持ちを育てないとだめだろ。
一人で泣いててもろくなことないし、みんなだって透子ちゃんのその顔みて、やたらと突っ込むなんてしないさ。

突っ込まれるとしたら、失恋した俺だ」

私の気持ちを察したように、肩をすくめている。

「その涙、俺が拭ってやりたいけど、透子ちゃんの思い人じゃなきゃ、だめだもんな」

さ、行くぞ。

腹減ったな。

何気ない、それでも気持ちのこもった声に連れられて、私も再びお店に向かって歩き出した。