『怒られちゃったね』
肩をすくめる私に、竜はくすっと笑うだけで何も言わずに現場の外へと歩きだした。
追いかけるように続く私を時々気にかけながらゆっくり歩く竜の背中。
高校生にしては大人びて整っている顔ばかりが最初は気になったけど、今では穏やかな優しさを向けてくれる背中が大好き。
『気をつけろよ』
現場を囲っている柵から出る時の段差で躓かないように、そっと手を差し出してくれて私を抱えてくれる。そんな優しい竜が大好き。
ほんの少し抱き上げられて、すとんと地面に下ろされた時、離れていく腕と竜の体温が恋しくて。
『つかまえた』
背中から、竜をぎゅっと抱きしめた。
竜のお腹の前に手を回して、顔を背中に埋めると、愛しい人のにおいに包まれる。
なんて幸せな瞬間なんだろうと、大きく呼吸した。
『ずっと好き。絶対嫌いにならない』
この先、竜を嫌いになるなんて事、考えられない。
高校生の私の気持ちなんて一時期のあっけないものなのかもしれないけど、竜がいない未来ならいらない。
大好きなんだ。

