甘恋集め

そして、ゆっくり近づいてきた竜我の瞳に見入っていると。

唇に感じる温かさ。そして後頭部をぐっと引き寄せる強さ。

キス、されていた。

掠めるだけの、まるで私の気持ちを推し量るような軽いキスは、拒もうと思えばすぐに拒める。

竜我の胸を押し返せばそれだけで、その温かさから逃れられるに違いないくらいの軽いキス。

だけど、その温かさは私の体を目覚めさせて懐かしい気持ちにさせた。

まるで何度も交わした事があるようなキス。

角度をそっと変える竜我の動きがわかるのか、自然に私の唇も竜我の動きを追える。

差し入れられた舌の動きすら、ちゃんとわかっているかのように絡ませて。

その吐息ですら懐かしくて。

「竜……」

そう呟いた途端に、気持ち全てが、溢れ出した。

「竜……竜……」

何故かはわからないけれど、『竜』と呼ぶ事が正しい事のように思えてならない。

そう何度も呼んでいた感覚に震えながら、必死で竜とのキスに浸っていた。