甘恋集め



私を溺愛し、いつも見守ってくれている父さんの口癖を思い出す度に泣きそうになる。

『いつまでも一緒にいような』『お嫁になんて行くなよ』って言い続けていた父さんなのに、仕事がうまく回らなくなって借金を作ってしまって。

援助を受けるかわりに私をお嫁に出すことでしかその状況を解決できなくなった。

既に18歳となって法律的には結婚できる年齢に達していた私には、両親がそれで楽になるのなら受け入れるしかないと、そう決めて受け入れた。

結婚する相手が誰であれ、両親が苦しまなくてすむのなら、それでいいと。
受け入れた。

ただ、大学卒業まで待って欲しいというダメでもともとの願いを聞き入れてもらえた時には、ほっとして涙があふれた。

やっぱり、結婚には夢も希望もあったから。
愛し愛されて結婚したかったから。

でも、そんな気持ちは心に秘めて、

『肩の傷跡の事、ちゃんと言っておいてね。初めて見た時にびっくりされるといやだから』

ふざけた調子で笑い飛ばした。

それから4年間、その事を心のどこかに抱えながら、ひたすら絵を描いていた。