甘恋集め

大通りを逸れて裏道をしばらく走ると、小さな公園があり、その周辺にはたくさんの住宅が並んでいた。

広い区画には、微妙に似ているけれどそれぞれタイプが違う家が立ち並んでいて、大きな住宅街となっている。

きっと、一斉に建設されて一斉販売された物件たち。

それぞれの屋根の位置や外観には少しずつ統一性があるし、きれいな直線道路が縦横に通っていて見た目もきれいな街並み。

車が十分にすれ違う事ができるほどの道をゆっくりと走りながら、迷う事なくハンドルをきる竜我。

どこに行くのか、ちゃんと決めているような運転に不安も感じる。

今日は、竜我の実家に行って屋根をじっくりと見せてもらうはずなのに、今向かっているのはまるで違う方向だと思う。

『寄り道』って言ってたから、今まさに『寄り道』してるのかもしれない。

「……どこに行くの?」

ゆっくりと流れる景色を見ていると、少しずつ鼓動が速くなる。

さっき、有星と桜さんの話をしていた時のような荒い息遣いが再び私を襲う。

ちらちらと意識の端っこに見え隠れする景色と、今目の前に流れる景色が少しずつ一致していく。

「ねえ、どこに行くの?」

もう一度、そう聞いた私の瞳からは、思いがけず、涙がこぼれていた。

「……梅を、もっと泣かせてしまうところ、だよ」

竜我の声も、泣きそうだった。