甘恋集め

約束の時間よりも、ほんの少し早く真田くんは迎えに来てくれた。

マンションを下りて、昨日乗せてもらった車を見つけてホッとする。

『着いたぞ』コールをもらったけれど、目の前にある車と、その脇に立っている真田くんを確認するまでは落ち着かなかった。

「おはよう……」

車にもたれて携帯をいじっていた真田くんは、私の声に顔を上げて

「おはよう。目は覚めたか?」

にやりと笑った。

「なんとか。すっごく苦いコーヒー何杯も飲んだよ」

「そっか、じゃあ、着くまで車で寝てたらいいよ。ちょっと時間かかるし」

そう言うと、助手席のドアを開けてくれた。