濠と会えない時間が長くて、気持ちが弱くなる時も確かにあるけれど、それでもやっぱり信じてる。
濠が私を求めてくれていると、私を探してくれていると。
「透子ちゃんが会いたいと思う人って、どんな人?」
それまでの思いつめた声を少しゆるめて、山崎くんは聞いてくれた。
二人の間に漂う空気を軽くするような明るい瞳。
決して楽ではないに違いないその切り替えに、感謝する気持ちが溢れる。
恋する気持ちを拒まれても尚、相手に優しくできる山崎くんが、とても素敵に見
える。
そんな素敵な人に思われるほどの女ではないんだけど、私。
でも、ありがたい。
そして、ほっとした。

