甘恋集め

「大丈夫か?すげえ音したぞ」

「あ、大丈夫……、ちょっとソファから落ちただけで」

「ソファ?ソファで寝てるのか?」

怪訝そうな声を聞きながら、ようやく起き上がってソファに腰掛けた。

厚手の毛布がしわくちゃになってる。

明け方、これにくるまってソファに倒れこんだのは覚えてるけどな……。

時計を見るとそれから二時間くらいしか経ってない。

「ソファベッドなんだよ」

ベッド仕様にはしていない、単なるソファで寝ていた事は言わないでおこう。

「まだ眠いか?」

「うん……大丈夫。徹夜とか課題で慣れてるし。平気」

「あ、そ。じゃ、今から迎えに行くから準備しとけ」

「うん、準備ね……。って、え?迎え?」

すごくスムーズな会話の中で頷いてしまった私だけど、どう考えても今の真田くんの言葉っておかしくないかな。

迎えに行くって聞こえたけど?

眠気の残る頭でどうにか考えたけど、理解不能……。

「真田くん?迎えってどういうこと?こんな朝早くから会う約束ってしてたっけ」

慌てて聞き返したけれど、それすらおかしいと気づく。

昨日初めて会ったばかりで、とりたてて親しくなった記憶すらないのに。

そりゃ、あの緑の屋根を見せてやるって親切に言ってくれてたけど……は?

その為に、こんな朝早くから迎えに来てくれるの?わざわざ?