はっと見上げると、何かを決意したように口元を引き締めたとしくん。
「名ばかりの婚約者だったけど、俺なりに納得して美乃の事を大切にしてたんだ。恋愛とは違う次元で許されるなら、俺は美乃をちゃんと愛してる。
家族を亡くして一人で笑ってるこの生意気で愛しい女、好きにならずにいられるかよ。幸せになって欲しいって願ってるんだからな。
だから、今日高橋の家に行くことを駆に伝えた。
それで今日来なかったら、美乃は渡さないって決めてな」
「としくん……。そんなの、教えてよ」
思いがけないとしくんの言葉が私の目の奥を熱くする。
ちゃんと愛してるなんて、言ってくれたことなかった。
周りが決めた婚約者だから、成り行きで私の相手をしてくれてるんだと思ってた。
嫌われていないとは思ってたけど、まさか。だ。
「私……、としくんの事、駆の次に、大好きだよ」
泣きそうになって、くしゃくしゃな私の顔を見たとしくんは、ぷっと笑い声を漏らすと
「俺も、結花ちゃんの次に美乃が大好きだよ」
出会ってからずっと私を見守ってくれていたとしくんの事、ようやく身内のようにに思えた。
駆と一緒に歩む未来を選んだ私だけど、これからもとしくんとも離れずにいられるんだと思えて、嬉しかった。
そして、私ととしくんを待つ駆のもとへとゆっくりと歩みを向けた。
「名ばかりの婚約者だったけど、俺なりに納得して美乃の事を大切にしてたんだ。恋愛とは違う次元で許されるなら、俺は美乃をちゃんと愛してる。
家族を亡くして一人で笑ってるこの生意気で愛しい女、好きにならずにいられるかよ。幸せになって欲しいって願ってるんだからな。
だから、今日高橋の家に行くことを駆に伝えた。
それで今日来なかったら、美乃は渡さないって決めてな」
「としくん……。そんなの、教えてよ」
思いがけないとしくんの言葉が私の目の奥を熱くする。
ちゃんと愛してるなんて、言ってくれたことなかった。
周りが決めた婚約者だから、成り行きで私の相手をしてくれてるんだと思ってた。
嫌われていないとは思ってたけど、まさか。だ。
「私……、としくんの事、駆の次に、大好きだよ」
泣きそうになって、くしゃくしゃな私の顔を見たとしくんは、ぷっと笑い声を漏らすと
「俺も、結花ちゃんの次に美乃が大好きだよ」
出会ってからずっと私を見守ってくれていたとしくんの事、ようやく身内のようにに思えた。
駆と一緒に歩む未来を選んだ私だけど、これからもとしくんとも離れずにいられるんだと思えて、嬉しかった。
そして、私ととしくんを待つ駆のもとへとゆっくりと歩みを向けた。

