アイツを忘れさせてくれたのは 街で噂のヤンキー君

光璃side


トゥルルル…トゥルルル…

電話?
誰だろ…。
携帯の画面に映し出されているのは
“なおくん”
私の彼氏の名前。

「もしもし?」
「もしもし。俺、直哉だけど」
「いきなり電話とかどうしたの?」
なおくんのこと石原直哉は滅多なことでは電話をかけてこない。
だから映し出された名前に少し不安があった。
「んー、ひかの声が聞きたくなった、かな」
いつもより若干トーンの低いなおくんの声。
本当にそうなのかなと余計不安になる。

『ひかり達最近上手くいってないんでしょ?』
…いってないけどさ
『遠距離だもんね~。それに先輩だし』
…だけどさ
『でも1年もっただけですごいことだよ!』
…まだ終わりたくないよ…。
好きなんだもん。
遠距離でも、先輩でも、好きなんだもん。
嫌だよ…。

「…ひか?」
「…へ?あ、ど、どうしたの??」
「いや、こっちが聞きたいんだけど。いきなり黙りだしちゃったからさ」
「あ…ごめんね。ちょっと…考え事?」
「なんで疑問形なんだよ。相変わらずおかしなやつ」
あ、笑ってくれた。
よかった…。
笑い声を聞くとなんか安心できる。

あ、そういえば…。