───── あすみが走り去ったあと追おうとした俺を止めたのは透とかいう奴。 「お前あすみんとこ行くのかよ。」 「当たり前だろ。 俺はお前が誰だか知らねぇけど、泣いてるのにほっとけるわけない。」 そう言って追いかけた。 走って走ってやっと追い付いたのは、今日は誰も使ってない図書室だった。 「あ、あすみ…?」 図書室の机に伏せているあすみにおそるおそる声をかけてみたが、返事はなく、泣き声だけが響く。