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夏に近づいて段々暑くなってきた。
蒸し暑い教室で、文化祭の出し物を決めていた。
俺は、あすみにアピールをしている。
が、いくら俺がかわいいだとか言っても、
「冗談やめて!」
「あーはいはい」
「ブスにかわいいって言っておもしろがってる」
そんなことしか言ってくれない。
─よく考えてみると、今まで告白されてもしたことがない。
ゆえに、アピールの仕方も俺はわからない。
不器用なりにストレートに言ってもだめなんだろうか?
そんなことを考えている。
でもあすみを好きになって、俺自身が変わっていくことに違和感もないし、誰かを好きになるって楽しいって思えている。
ふと隣を見ると暑いからなのか、おでこ全開でちょんまげにしているあすみが目に入った。
「ふっ」
思わず俺が笑うと、はっとした顔でおでこをおさえるあすみ。
「何でおでこおさえてんの?」
「い、いや…前に家でお兄ちゃんに“肉”って書かれたことあったから…」
と真っ赤な顔していうあすみ。
「ふっ、ははははは!!!」
思わず俺は大爆笑。
それを口をぽっかり開けて見るあすみ。
笑いすぎて涙が出た俺が何?と聞くと、
「安藤くんがそんな笑うのはじめて見たから…」
と。
「んー、あー、そうかもな。
でも俺が笑うのはあすみの前くらいかも。」
そう言うとまた顔を赤くしていた。

